私:(YouTubeを見ながら)いいねえ、これ。
うり坊:かわいいね。
私:親子で一緒になんかやるの、夢だったんだ。
うり坊:うちもクリスマス会でリコーダー吹いたじゃん。
私:まあねえ。
うり坊:ママも入って一家四人でだから、ここより凄いよ。
私:でもさあ。
うり坊:男の子二人がいいの? 女で悪かったね。
私:そんなこと言ってないじゃん。
うり坊:じゃあ、トランペットがいいの? リコーダーを馬鹿にしているの?
うり坊はバロック音楽の専門家に、リコーダーを習っているからややこしい。
私:そんなことも言ってないじゃん。
うり坊:それなら、どうして「でもさあ」なの?
私:だんだんママに似てきたな。
うり坊:親子だもん、しょうがないじゃん。それよりねえ、どうして?
私:ここはお父さんが上手で、子どもを引っ張ってるじゃん。うちはさあ……
うり坊:一番下手っぴが父親だもんね。
私:……
うり坊:しょうがないよ。老いては子に従えっていうじゃん。
まだ老いてないよ。
「娘が話し相手になってくれるだけいい」と、会社の同僚は言っていた。しかしその会話は、父親の威厳とトレードオフされているのだ。
……でも、まあいいや。このトランペッター親子ほどではないけれど、我々も音を重ねる楽しさを知っているのだから。
0 件のコメント:
コメントを投稿