2008/02/17

がらくた、或いは、歴戦の強者


しばらく前からデジタル一眼を検討しており、候補が二つに絞りこめたところだ。オリンパスのE-510とペンタックスのK10D。近々徹底比較をしてがしっと決めなければならないと思いつつ、カタログを並べて睨んでいたら、背後から我が女房の「これはどうするの」の声。納戸の奥から籠が出てきた。中身はカメラのがらくた。

カメラって楽器と同じで捨てられない。売る人もいるけれど、私は使い倒す質なのでそんなことはできない。よってこのように溜まって行くのだ……ってほど溜まってないけれど。

楽器と同じなのは一つ一つに思い入れがあること。
センチメンタルジャーニー((c)松本伊予)が始まる。

■Nikkormat FT3

高校生の頃に親父から貰った一眼レフ。
ちゃんとしっかり金属製、質実剛健を画に描いたようなデザイン。
最近のペーパークラフトのようなカメラとは一線を画している。
「がしゃ」とでかいシャッター音がして、撮っている気分にさせてくれる。


■NIKKOR-H Auto 1:2 f=50mm

f値が2と暗いレンズだが、困ったことは一度もない。
「先ずは標準レンズを使いこなしてからね」という写真部の先輩(確か美人だった)の言葉を忠実に守り、ポートレートからスポーツ写真まで、殆どすべてこの一本で済ませていた。
光学的に寄れないときには、物理的に寄るのだ。サッカーは審判のポジションで標準レンズで撮れば、考えられないほど迫力のある写真が撮れる。
ポートレートの時には寄りすぎに注意する。


■NIKKOR 105mm 1:2.5

唯一の交換レンズ。単純にレンズ交換に興味があったから手に入れたのだが、絞り解放時のぼけ味の良さに魅せられた。
スペックからわかるとおり、ポートレートが得意。微妙な表情を捉えるにはこれがいい。80mm前後のレンズが推奨させるが、もう少し長い玉の方が被写体の雰囲気が伝わってくると思う。


■TAKUMAR/6x7 1:2.4/105

PENTAX 6x7?の標準レンズ……だったと思う。本体は修理に出してそれっきりだ。
時効、だよね。


■FUJINON-EX 1:2.8 f=50mm

今は友人に預けている富士フイルムのB690型引伸機のレンズ。自宅での暗室作業は設営からなにから想像以上に大変で、そう滅多にやらなかった。だから何度も使っていないはずだ。
暗室作業は楽しい。酢酸の匂いも好きだ。



籠を紐解くうちに、息子がニコマートに興味を持っていることに気づく。手渡してみるといろいろいじり、ファインダーを覗き始めた。実は彼、生まれてから何台もカメラを壊している(因みにそのうち二台がライカだ)。しかし、奴にこれは壊せないことを確信していたのだ。息子の人生始まって以来の、最高にゴツイカメラなのだから。

気に入ったらしい。こういうところは親子だ。ストラップを首にかけてやり、構え方を教えた。

自然に立ち、左腕でカメラの重みをしっかりと支え、脇は締める。
カメラは目の位置に持ってくる。
両目を空けてフレーミングをし、フォーカシングは近距離側から遠距離側に向けて行う。
7歳児には難しいと思うが、真剣に聴いている。そのうち彼にプレゼントしようと思う。

彼のお陰でニコマートに蘇生の可能性があることがわかった。
・時々、ミラーの上げ下げで引っかかる事があるが、シャッターはまともに切れる。
・絞り込みボタンを押すと、引っかかりから解放される。

というわけで、新宿のニコンサロンに行ってきた。


0 件のコメント: