2007/12/07

のし梅ダービー

うちの娘は渋い。コンビニで「好きなお菓子を一つ買ってあげる」というと、都昆布を持ってくる。そして「もう一ついいかな」とかりかり梅を手に取っているのだ。勉強しているときは甘い紅茶よりも梅昆布茶、かといって甘味が駄目なのではなく、和洋問わず菓子も好きらしい。彼女はそういう味覚なのだ。

出張帰りの同僚が土産にのし梅を買ってきた。茨城の現場だから水戸からだろう。「これは!」と思い、封を切らずに自宅に持って帰る。間違いなく奴の好みだ。
与えると目の色が変わった。今までで五本の指に入るぐらいの喜び方だ。初めての携帯や、DSを与えたときと同じぐらい。こんなに喜ぶとは思わなかった。

「のし梅は使える」そう確信した。学習面におけるモチベーションを保つための切り札に使うのだ。餌で釣る。いにしえの釣り師もこのような体験を繰り返して、漁法を会得したに違いない。ハゼにはアオイソメ、うちの娘には「のし梅」である。カード状の形態も切り札としてふさわしい。

早速「極秘備蓄のし梅」調達の検討作業に入った。

梅製品であるから、紀州梅の水戸が大勢を占めているかと思っていた。しかし調べてみると山形が相当頑張っている。それどころか本家を主張しているのだ。

■山形県ホームページ:おらほの自慢vol.22
http://www.pref.yamagata.jp/ou/somu/020020/mm_bk_data/s/img_mm_series_oraho/vol_22/noshiume.html

■山形:乃し梅「佐藤屋」
http://www.mountain-j.com/sinise/satoya/

「その昔、紅花から『紅』をとるには、梅の酸が必要とされ、山形では紅花と共に梅の栽培が盛んに行われていました。」という文章には説得力がある。それに対して水戸は控えめだ。数ある梅製品の一つとしてラインアップされているに過ぎない。

これは山形で勝負あったかとも思うが、娘が口にしたのは水戸土産である。山形の主張も、水戸が梅の本場であるというイメージを覆すほどの強さはない。Wikipediaには双方の地区の銘菓としてのし梅が挙げられている。

日本全国の銘菓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%AE%E9%8A%98%E8%8F%93

このようにどちらにするか決めかねるときには、実力で勝負させるに限る。幸い双方ともJ2リーグにプロチームを持っており、今年4回の対戦があった。

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J2第01節 3月4日14:00
水戸 ● 0 - 1 ○ 山形
@笠松

J2第21節 6月13日19:00
水戸 ○ 2 - 1 ● 山形
@ベスパ

J2第39節 9月9日19:00
水戸 ● 0 - 1 ○ 山形
@笠松

J2第50節 11月18日14:00
水戸 ● 0 - 1 ○ 山形
@ベスパ
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水戸:1勝3敗
山形:3勝1敗

山形の勝ち。

かくして来年度配備分の「極秘備蓄のし梅」(コードネーム:NU-X)は山形産のものに決定した。
なお「J2時代に水戸からあれだけ賄賂を貰ったのに」という議論には耳を貸さない。


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