


この一週間の国立競技場は忙しい。
その最初はラグビーのブレディスローカップ、オールブラックス対ワラビースだ。

ラグビー協会の森会長が言っていたとおり、このカードの試合が日本で行われるなんて、妄想はすれども実現するとは思わなかった。先の選挙で自民党が惨敗しても余裕のコメントを残していた氏だが、このゲームのことが気になって選挙どころではなかったのだろう。
■カリメロは単純だ。夢のような試合観戦の翌日は練習に気合が入る。声が出る、スピードも速い。彼だけでなくてスクール全体の雰囲気が違うようだ。テレビで流して欲しかったな。そうしたら一万人はラグビー人口が増えたぞ。
早々と売り切れた自由席は言わずもがな、一寸した清水の舞台プライスの指定席もぎっしり。ラグビーの試合では初めて体験する雰囲気だ。サポーター集団の煽り方が楽しい。ハロウィンだからか、いろいろな装束のニュージーランド人がやって来る。「ミナサンぱちぱちシテネ」

試合前恒例のハカ
伝わってくる迫力。スタジアム全体が圧倒されてしまう。
後席のオーストラリア人と、たまたま隣に居合わせたニュージーランド人が面白かった。
ワラビー :今のはトライだろ!
ニュージー:旗の内側だからトライな訳ないよ。
ワラビー :トライだから揉めているんだろ!
ニュージー:トライだったらすぐ判るだろ。
ワラビー :ビデオ判定だってよ。
ニュージー:なにぐずぐずしてるんだよ!
ワラビー :おっせぇよな。
ニュージー:きっとビデオ審判は日本人だよ。
ワラビー :あそこのラグビーはかったるいからなぁ
反論したいが英語力が追いつかない

トライ成立が決まるとワラビーは大騒ぎ。ニュージーも「オーストラリアに乾杯」なんて言いながら楽しんでいる。一見美しいラガーマン精神だが、どうもビールが飲みたいだけのようだ

彼らが沢山飲んだお陰で、ハーフタイム前に国立競技場のビールは全部売り切れてしまった。その後の「日本酒いかがっすかー」はちょっと痛々しい感じだったが、南半球の人たちにはエキゾチックに映ったらしく、結構な勢いで売れていたようだ。
両者互角の戦いでシーソーゲームが続くが、後半ワラビーズがペナルティーキックに失敗してムードが変わる。オールブラックスの勢いは止まらず、そのまま試合がきまってしまった。
オールブラックスはワラビーズに比べて、個人技で上回っているような気がした。細かい攻撃のバリエーションが豊富で、突破するまでいろいろ試すのが面白い。
去年のブレディスローカップは香港で開催されたとのこと。ラグビーの普及のために、世界を巡回するらしい。また日本に来る機会もそう遠くはなさそうだが、待ち望んでいた人たちはこぞってチケットを買い求め、国立競技場を一杯にしてしまった。
プレイもさることながらスタジアムの雰囲気は最高で、彼らの期待は充分に満たされたと思う。日本のラグビー界は大きな経験を得たのではないだろうか。ワールドカップ開催まで、これを盛り上げられればいいな。
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