むしむし

我が家のシークヮーサーを食い尽くそうとしていたのは、アゲハチョウと覚しき青虫だった。

鮮やかな黄緑色とくねくねとした動きが愛らしく、しばらくプチトマトの空容器に入れ、一家を挙げて観察していた。当然情も移るし、羽化するところを見届けたくなる。しかしこのままではシークヮーサーは全滅してしまう。


省略したけどだいたいこんな感じ。

カリメロ ： シークヮーサーの葉っぱしか食べない虫かもよ。
うり坊 ： そんな特殊な虫が関東にいるわけないでしょう。沖縄ならともかく。
プリシラ ： みかんの葉っぱなら食べるんじゃないかな？
カリメロ ： どこにみかんの木があるの？
プリシラ ： 知らない。

ネットで調べたら山椒の葉も食べることが判った。山椒なら実家にいくらでもある。食糧問題はひとまず解決。


山椒の木に這わせてみる。

餌が変わったせいか最初は躊躇していた青虫だが、しばらくするとワシワシと山椒の葉を食べ始めた。

プリシラ ： あ、カラスだ。
カリメロ ： ぼくが守ってあげる。

プリシラの頭を両手のひらで覆うカリメロ。

プリシラ ： ヘアスタイルが乱れちゃうよ。
カリメロ ： あ、そっか。
プリシラ ： それより青虫がここにいると、カラスに食べられちゃうかもしれない。
カリメロ ： どうしよう？

アクリルの水槽に切った山椒の枝を入れて、室内で育てることにした。


蛹になる。

うり坊 ： 口から糸を出しているからそろそろだと思っていたけど、今朝小さく丸まって動かなくなったよ。
カリメロ ： どうなっちゃうの？
うり坊 ： 蛹になるの。
カリメロ ： 蛹って何？
うり坊 ： 青虫が固い殻を作って、その中で蝶に変わるの。
カリメロ ： ふうん。
うり坊 ： あんたまさか、青虫の背中から羽が生えてくると思っていたんじゃないでしょうね。
カリメロ ： ……違うよ。

今のところ蛹のままだ。動かないからつまらない。


近い将来、こうなる予定。

この蛹は蝶になるとどんな柄なのだろうか。想像も付かない。

丼 ： 楽しみだね。