娘:流れ星が流れている間に、願いごとを三回唱えると叶うって言うでしょう。
丼:うん。
娘:あれって、根拠があるんだって。
丼:どんな?
娘:流れ星って、すぐ流れちゃうでしょう。
丼:そうだね。
娘:だから、三回も唱えるためには、素早く願いごとを思い出さないといけないわけよ。
丼:なるほど。
娘:そのためには、強く強く願っていないとダメなんだ。
丼:だね。
娘:三回唱えられるぐらい強く願っていれば、その願いごとは叶うってことなんだって。
丼:ふーん。
娘:わかった?パパ。
わかったよ、ちゃんと話を聴いてるよ。
いつもいろいろ教えてくれてありがとう。
君のその目つき、前にも見たことがあるな。
そうだ、まだ小学校に上がる前、一緒に釣りに行った時だ。
天気がいいのに釣り場はえらく空いていて、全然釣れなかったね。
君は楽しそうに釣竿をあおっていた。
潮時表を調べると、その日は小潮だった。日が悪い。
空いているはずだ、釣れる訳ないから。
丼:今日は釣れないから帰るよ
娘(5歳):一生懸命やれば、きっと釣れるよ。
このときの目だ。
あの頃下から見上げていた君の目は、今も全く変わっていない。
丼:お魚いないんだよ、今日は。
しょんぼりしながら片付ける5歳の君。
今だったら
「どうして魚がいない日に釣りになんかするの」
なんて、悪態をつくに違いない。
変わっているようで、変わっていない。
変わっていないようで、変わっている。
成長とはそういうものか。
また釣りにいこうよ。
夜釣りにすれば、流れ星が見えるかもしれない。
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