2009/02/06

子どもの呼び名


別に隠す必要もないと思うが、
個人情報云々と騒ぐのが流行っているので、
子どもの本名は一応伏せている。
しかし「娘」、「息子」と言い続けるのも味気ない、よね?

娘がまだちいさい頃「おじょじょ」と呼んでいた。
お嬢さまと言うには余りにもちびっちゃいので「おじょじょ」なのだ。

この呼び方はちょっとこそばゆいらしく、
いつももじもじしながら「なあに」と返事をしていた。
ちょっとしたシンデレラ気分だったに違いない。

それから10年。娘は「お嬢さま」と呼ばれても不自然ではない年齢になった。
しかしシンデレラにしては態度が不遜で、
ちいさい頃の呼び方だと「はぁ?」とか「ん、だよ」なんて返事をよこす。
最早「おじょじょ」ではない。

思春期に入りたての娘はいつも思いきり悩んでいて、
話しかけると精一杯の生意気を返してくる。
縦よりも横に伸びる時期らしく、以前よりふっくらとしてきた。

「まったく君はちんちくりんだねぇ」とからかうと、
「パパに言われたかねぇよ」と悪態をつく。

それを言うなら、
パパじゃなくてオヤジでしょ、
おじょじょ。

あ、これだこれだ。
そっくりだよ。可愛いなあ。
ポチっとしちゃおうかな。
お嬢さん猪年だからピッタリだよね。

そう、君はうり坊だ。
自分の大きさも知らずに、
果敢に体当たりを続けている。

まだ受け止められる。
あとちょっとならば大丈夫だ。
いつまでも受け止めていたい。

すぐに大きくなっちゃって
さらに残念なことに、体当たりも止めてしまって
大人になってしまうんだろうな。

でも、それまでは
君のことを「うり坊」と呼ぶことにするよ。

心の中で、内緒で。


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