安全のために廃止されつつあるのか、あるいは私の生活環境が変わったのか、最近お湯の出るカップヌードルの自販機を見かけなくなった。自販機の筐体だけで食事が提供できてしまうパーフェクトさが余りに素晴らしく、生協食堂のラーメンよりもカップのシーフードヌードルを選ぶことの多かった大学時代を想うに、いささか寂しい時代の流れを感じていたことは否定できない。
一度カップヌードルを手にし、封を切り蓋を半分開けて戻す。この行為によって、ユーザーは自らの意思でこれから粗食に甘んじることを確認するのである。「今日はカップだが今に見ていろ、明日はきっとげんこつ屋のチャーシュー麺を喰ってやる」という気持ちになるのである。そして自販機は、出所を見送る刑務所の如く、カップに熱湯を注ぐのだ「戻ってくるんじゃねえぞ」と。
お湯の出る自販機はかくもドラマチック、グーテンバーガーでは役不足なのだ。
日清食品が明日から「カップヌードルMYベンディングマシン」プレゼントキャンペーンを行う。あの自販機がお茶の間サイズになって戻ってくるのだ。しかも今度は所有することができるのである。
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カップヌードル4個収納、湯沸1Lと、一般家庭には充分なスペックを誇る。専用コインを使うため、乏しい財布から食費を供出する侘しい気持ちもエミュレート可能なのだ。
むむむ、欲しい。しかし意味がない。
大学時代に戻れる訳ではないのだから。
Posted from MixiDock mini
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