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圧倒的なボリューム、きついにんにく臭、滋味溢れる豚肉より沁みだした脂。マックさんの構成力も相まってスタ丼は瞬時に私を魅了した。「これは近いうちに制覇せねばなるまい」と決心を固めるも、「伝説のすた丼屋」は私の住む場所からはいささか不便な国分寺にある。
なかなか行く機会はないだろうなと落胆していたのだが、深夜戯れにリンクをクリックしてみると「伝説のすた丼屋」は明大前にも店舗があることが書いてあった。しかも午前3時までの営業である。これから行っても間に合うではないか。
と言うわけで「伝説のすた丼屋」は明大前のすずらん通り沿いにある。今時の学生街らしく、安い飲み屋とチェーンの食べ物屋ばかりだ。この店も、出すもののイメージとは裏腹に、小綺麗なチェーン食堂の体裁を持っている。
壁には漢っぽい「掟」が描かれている。ひとつぶも残してはいけないのだぞ!
自販機で「すた丼」のチケットを買う。深夜なのでさすがに大盛りは避け、普通のすた丼にした。生卵、味噌汁がついて600円。十分リーズナブルだ。
光る豚肉、しゃきしゃき感のある葱。
にんにくの力によって豚肉の臭みが見事に消え、脂の甘みさえ感じられるどんぶりに仕上がっている。美味いよこれ。
普通盛りにしたからだろうか、覚悟していた食感的な驚きはなかった。
「ヘルメットにような器に押し込まれた飯」……あの迫力を体験するまで、私に豚丼を語る資格はないだろう。
やはり国分寺が私を呼んでいるのだ。リベンジは本店で、近いうちに。
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