2007/10/04

筆まめになろうと思った




筆まめになろうと思った。電気を使わずに文章をしたためることに慣れた方が、良さそうな気がしたのだ。

エコとか温暖化対策とか、そういうもっともらしい理由ではなくて、単純に楽しそうだからだ。

私は字が下手だ。自分で書いた文字を読み返すと、まま暗澹たる気持ちになる。だから世の中にワープロが出現すると、まっさきに飛びついたのだ。文字のコンプレックスを克服するために。

実際、ワープロの文字は美しい。そして正しい。自分の「作文」が「文書」になって印刷されるのはうれしかった。しかし、そうなると読み返す余裕ができてしまう。当然のなりゆきとして、文章の荒さを意識するようになったのだ。

機械を使うようになって、文字コンプレックスが文章コンプレックスに移行しただけで、私のコンプレックスの絶対量は何も変わらない。むしろ増えていたのかもしれない。

手で文章を綴るのは楽しい。途中で手を止めることも少ないようだ。文字を書くスピードと、文章を考えるスピードが合っているのだろう。苦しくならずに文章ができあがるうれしさは、初めてワープロにふれた時以上かもしれない。

かくして私は筆まめになろうと思った。常に「今日」から三日坊主でつづければ、長く続けられるだろう。


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